青色申告特別控除65万円の条件
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- 65万円控除の要件を1つずつ確認できる
- 期限後申告の影響を説明できる
青色申告特別控除65万円は、要件を1つでも落とすと55万円か10万円になります。
65万円 … 複式簿記 + BS・PL の添付 + 期限内申告 + e-Tax 送信(または優良な電子帳簿)
55万円 … 複式簿記 + BS・PL の添付 + 期限内申告(紙で提出)
10万円 … 上記を満たさない場合
差額は税率30%なら年16万円以上。この章で要件を1つずつ確認します。
要件1: 青色申告の承認を受けている
□ 「所得税の青色申告承認申請書」を期限内に提出済み([開業届と青色申告承認申請書](/chapters/kaigyo-todoke/))
開業から2ヶ月以内(既存事業者は3月15日まで)。 これが無ければ、他の要件を満たしても白色です。
要件2: 事業所得(または事業的規模の不動産所得)である
□ 雑所得では使えない([個人事業主とは何か](/chapters/what-is-sole-proprietor/))
帳簿を作成・保存していることが、事業所得と判断される重要な要素になります。
要件3: 複式簿記による記帳
□ 正規の簿記の原則(=複式簿記)で記帳している
□ 仕訳帳・総勘定元帳を備えている
会計ソフトで取引を登録していれば、自動的に満たされます(なぜ簿記が必要か)。
要件4: 貸借対照表と損益計算書を添付する
□ 青色申告決算書の4ページ目(貸借対照表)まで記入する
会計ソフトが自動で作りますが、開始残高が未設定だったり、 残高が合っていないと正しい BS になりません(freee の初期設定、よくある登録ミスと直し方)。
「BS を出したくないから10万円控除でいい」という選択は、 年間十数万円を捨てることになります。
要件5: 期限内申告
□ 3月15日(土日なら翌開庁日)までに申告する
期限後申告になると、青色申告特別控除は10万円に下がります。 さらに無申告加算税・延滞税が加わります。
控除の差 55万円 × 税率30% ≒ 16.5万円
無申告加算税・延滞税 +α
間に合わないと思ったら、とりあえず期限内に出す。 数字の間違いは後から修正申告で直せますが、期限は取り返せません。
要件6: e-Tax 送信 または 優良な電子帳簿の保存
65万円と55万円を分けるのがここです。
方法A: e-Tax で申告書・決算書を送信する(最も簡単)
方法B: 「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存し、届出書を提出する
方法Bは、訂正削除履歴の保持・検索機能など要件が細かく、 事前の届出も必要です。
方法A(e-Tax 送信)なら、マイナンバーカードとスマホがあれば完結します。 65万円控除のためだけでも、e-Tax にする価値があります(確定申告のやり方)。
控除額の上限
青色申告特別控除は、事業所得の金額を超えて控除できない
事業所得(控除前)40万円 → 控除できるのは40万円まで(所得ゼロ)
事業所得が赤字 → 控除額はゼロ(赤字は増やせない)
65万円控除の価値
所得税率10%の人: 所得税 6.5万 + 住民税 6.5万 = 約13万円
所得税率20%の人: 所得税13万 + 住民税 6.5万 = 約20万円
所得税率23%の人: 所得税15万 + 住民税 6.5万 = 約22万円
さらに、国民健康保険料の算定にも影響します(所得が下がるため)。 会計ソフトの年額(1〜3万円程度)は、これだけで十分回収できます。
青色申告の他の特典(再掲)
65万円控除以外にもあります(青色申告と白色申告)。
□ 純損失の繰越控除(3年)
□ 純損失の繰戻し還付
□ 少額減価償却資産の特例(30万円未満を全額経費に。[10万・20万・30万の壁](/chapters/asset-thresholds/))
□ 青色事業専従者給与
□ 貸倒引当金
チェックリスト
□ 青色申告承認申請書を提出済み
□ 事業所得として申告する
□ 会計ソフトで複式簿記の記帳をしている
□ 貸借対照表の残高が実際と一致している
□ 3月15日までに申告する
□ e-Tax で送信する
□ 事業所得が65万円以上ある(下回る場合は所得の額まで)
複式簿記で記帳し、貸借対照表も作成しました。しかしマイナンバーカードの更新が間に合わず、3月14日に税務署へ紙で提出しました。青色申告特別控除はいくらになるでしょうか?
この章のまとめ
- 65万円の要件は6つ。承認・事業所得・複式簿記・BS 添付・期限内申告・e-Tax
- e-Tax か優良な電子帳簿かが、65万円と55万円を分ける。迷わず e-Tax にする
- 期限を1日過ぎると10万円に落ちる。間違いは直せるが期限は取り返せない
- 貸借対照表が正しく作れていないと、そもそも要件を満たさない
- 控除額は事業所得を超えられない。赤字は増やせない
- 効果は所得税・住民税で年13万〜22万円。会計ソフト代は余裕で回収できる
参考資料
| 対象 | リンク |
|---|---|
| 国税庁 No.2072 青色申告特別控除 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm |
| 国税庁 No.2070 青色申告制度 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm |
| 国税庁 e-Tax | https://www.e-tax.nta.go.jp/ |