月次ルーティン
この部の 5 / 7 章 ・ 全体で 51 / 53 章 ・ 読了目安 16 分
この章を読むとできるようになること
- 確定申告直前に慌てない運用を組める
- 月次・四半期・年次でやることを分けられる
確定申告が地獄になるかどうかは、2月ではなく毎月決まっています。
この章は、これまでの章でやってきたことを運用のリズムにまとめたものです。 実際にやることは、月30分です。
毎週(10分)
□ 同期された明細を確認して取引を登録する([口座・カード連携と「自動で経理」](/chapters/freee-sync/))
□ 判断がつかないものはメモを付けて保留する
□ 受け取った請求書 PDF をファイルボックスへ([証憑の保存と電子帳簿保存法](/chapters/receipts-and-records/))
□ 紙のレシートを撮影してアップロード
曜日を決める
「気づいた時にやる」は続きません。 金曜の夕方15分のように、カレンダーに固定してください。
freee のスマホアプリなら、移動中でも処理できます。
毎月(30分)
【請求まわり】
□ 締め日に請求書を発行して送る([請求から回収まで](/chapters/billing-and-collection/))
□ 前月分の入金を確認し、消し込む
□ 未入金があれば督促する
【記帳】
□ 未処理の明細をゼロにする
□ 事業用口座・カードの残高と帳簿残高を照合する([よくある登録ミスと直し方](/chapters/freee-mistakes/))
□ 現金の残高を確認する(現金を使っている場合)
【資金】
□ 入金額の30%前後を納税用口座へ移す([納税カレンダーと資金繰り](/chapters/tax-calendar/))
□ 生活費を事業用口座から生活用口座へ振り替える(事業主貸)
【確認】
□ 今月の売上・経費をざっと見る
□ 売掛金の残高が増え続けていないか
四半期(1時間)
□ 損益計算書を見て、前年同期と比べる
□ 経費率が変わっていないか、増えた科目を追う
□ 案件別の採算を確認する(メモタグ。[単価の決め方](/chapters/pricing/))
□ 契約の更新時期を確認する(値上げ交渉の準備)
□ 稼働の空きが出そうな時期を把握し、営業の接点を作る([案件の取り方](/chapters/finding-work/))
年に1回(12月・確定申告期)
12月にやること
□ 今年の所得を概算する([納税カレンダーと資金繰り](/chapters/tax-calendar/))
□ ふるさと納税の上限を計算して寄附する
□ 小規模企業共済・iDeCo の掛金を確認・増額を検討
□ 30万円未満の資産購入を検討する(必要なものに限る。[10万・20万・30万の壁](/chapters/asset-thresholds/))
□ 国民年金の前納・追納を検討する
□ 翌年の消費税の課税方式を決める(簡易課税の届出は12/31まで。[2割特例・簡易課税・本則課税](/chapters/simplified-taxation/))
□ 控除証明書が揃っているか確認する
1〜2月にやること
□ 決算整理([決算整理でやること](/chapters/year-end-closing/))
棚卸・前払・未払・減価償却・家事按分・貸倒引当金
□ 残高照合(預金・現金・売掛金・未払金)
□ 家事按分の根拠メモを更新する([家事按分の考え方](/chapters/home-office-ratio/))
□ 決算書のドラフトを出して、納税額の見込みを立てる
3月にやること
□ 3月15日までに所得税の申告・納付([確定申告のやり方](/chapters/filing-with-freee/))
□ 3月31日までに消費税の申告・納付([消費税の申告と納付](/chapters/consumption-tax-filing/))
□ 申告書・受信通知を保存する
□ 翌年に向けた改善点をメモする
年間カレンダーへの落とし込み
毎週金曜 … 明細の消化(15分)
毎月1営業日 … 請求書の発行
毎月5日 … 入金確認・残高照合・納税用口座への移動
四半期末 … 数字の振り返り・契約更新の準備
10月 … 控除証明書の到着を確認
12月 … 年内判断(共済・ふるさと納税・届出・資産購入)
1〜2月 … 決算整理・税額の見込み
3月 … 申告・納付
溜めた時のコストは、線形ではなく指数的に増える
1ヶ月分の未処理 … 30分で終わる
6ヶ月分の未処理 … 1日仕事。記憶が薄れ、判断も鈍る
12ヶ月分の未処理 … 数日〜1週間。按分の根拠も作れず、経費の計上漏れが出る
記憶の鮮度が落ちると、正確さも節税額も落ちます。
保管しておくもの(年間)
□ 契約書・発注書(案件ごと)
□ 請求書の控え(通し番号)
□ 受け取った請求書・領収書(電子は電子のまま。[証憑の保存と電子帳簿保存法](/chapters/receipts-and-records/))
□ 家事按分の根拠メモ
□ 固定資産台帳(会計ソフト内)
□ 控除証明書
□ 申告書・決算書・受信通知
□ 納付の記録
見直すタイミング
□ 売上が1,000万円に近づいた → 消費税の課税判定([消費税の仕組み](/chapters/consumption-tax-basics/))
□ 所得が800万〜900万円を超えた → 法人化の検討([法人化を考えるタイミング](/chapters/when-to-incorporate/))
□ 案件が1社に集中している → 分散の検討([案件の取り方](/chapters/finding-work/))
□ 経費率が大きく変わった → 原因の確認
□ 稼働時間あたりの所得が下がった → 単価の見直し([単価の決め方](/chapters/pricing/))
毎年1つだけ改善する
全部を一度に整えようとすると続きません。
1年目: 記帳を溜めない習慣を作る
2年目: 納税用口座を分けて、資金繰りを安定させる
3年目: 案件別の採算を見て、単価を上げる
4年目: 契約条件を自分から出せるようにする
1年に1つで十分です。 5年後には、まったく違う運用になっています。
12月20日、今年の所得が予想より300万円多くなりそうだと気づきました。年内にできる対応として、優先度が高いものはどれでしょうか?
この章のまとめ
- 確定申告の難易度は毎月の運用で決まっている。実作業は月30分
- 毎週: 明細の消化と証憑のアップロード(曜日を固定する)
- 毎月: 請求・入金確認・残高照合・納税用口座への移動・生活費の振替
- 四半期: 数字の振り返り・案件別採算・契約更新の準備
- 12月: 所得の概算 → 共済・ふるさと納税・資産購入・簡易課税の届出
- 1〜2月: 決算整理と残高照合、税額の見込み
- 3月: 15日に所得税、31日に消費税
- 溜めた時のコストは指数的に増える。記憶が薄れると節税額も落ちる
- 毎年1つだけ改善する。5年で運用は別物になる
参考資料
| 対象 | リンク |
|---|---|
| 国税庁 記帳や帳簿等保存・青色申告 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm |
| 国税庁 確定申告特集 | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/ |
| 中小機構 小規模企業共済 | https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/ |
読み終わったら記録しておくと、目次で進み具合が分かります。